【REVIEWS】The Early November – Imbue 〜東海岸の陰鬱を切り取るスケープ、円熟〜
Released: 5/12/2015 – Rise
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1999年に米ニュージャージーで結成後、Drive Thru Recordsのエモーショナルな側面を担う存在として絶大な人気を博した彼等。一度は約4年に及ぶ活動休止をはさんだものの、2011年に再始動し、Rise Recordsと契約。2012年には再始動後初となる「In Currents」を発表した。同作は全米ビルボードチャート初登場43位を記録し、ブランクを感じさせない相変わらずの人気を見せつけた。その後もMan Overboardを始めとした後続世代との共演、2013年にはWarped Tourの出演、年末にはバンドの大名盤「The Room’s Too Cold」のアニバーサリーLiveを行う等、再始動後も精力的に活動してきた。そんな彼等の、Rise Records移籍後第二弾がリリースとなった。
このバンドはその佇まい、声から零れ落ちるエモーションを含めフロントマンAce Endersありきである事は全く当時から変わっていないのだが、今作はそのアンサンブル含めてバンドとしての一体感が前作以上に打ち出されている。決してダイナミズム、という観点ではなく、一体感という意味で。そして何より今作は、とにかくエモーショナルなメロディーやフレーズが大炸裂。
大陸的ながらどこか陰のある序盤から、一気に溢れだす “Narrow Mouth”。バンド史上最高キーでスケール感たっぷりにその焦燥や葛藤が叩きつけられる “Better This Way”。久々に疾走している辺り、当時彼等と東海岸で人気を二分したArmor For Sleepを彷彿とさせる “Magnolia” や、鬼気迫るボーカリゼーションが響きまくる “Nothing Last Forever”。空間を活かしたサウンドスケープで、彼等らしい良い意味でナイーヴにさせられる “Circulation”。センス溢れる90年代のエモバンドの様なアートワーク通りその真髄はこれまで以上に内包されながらも、ここ二作ではやや変化球すぎたサウンドスケープがそぎ落とされ、アーティスティックでありつつ真っ直ぐとリスナーの鬱を揺さぶる傑作だ。
テキスト:Yuji Kamada
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