【REVIEWS】Leons Massacre – Dark Matter 〜ニューメタルを塗したモダンハードコア〜
Released: 6/10/2015 – GO WITH ME
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先日Bullionから新作が発表されたFrom Dawn To Fallと同郷となる、オーストラリアではなくオーストリア産。中々オーストリアのミュージックシーンがここ日本に届く事がない為、この日本デビュー作で彼等の名前を初めて聴いたという方々も多いと思うが、実は今作で3枚目の作品となる。昨今アメリカを中心としたポストハードコア界は、Of Mice&MenやIssuesといったバンド達を筆頭にモダンオルタナティヴやニューメタルといったリバイバル要素をMixさせ人気を博しているが、彼等はまた別のベクトルでそれを表現する希少な存在だ。
壮絶なシンガロングパートと強烈なスクリームパートから、流れる様にラップパートへ移行していき、メロディアスなサビへ展開していく “This Earth Is Priceless”。Bullet for My Valentineの “Her voice resides” ばりにスラッシーに雪崩れ落ちていくイントロとメタリックなリフを持った “Exposed Media”。まさにニューメタル/ラップコア全盛期の要素を全開に打ち出した “Unslave the World” や不穏なリフが全編を支配する “Bound Together” でも顕著だが、あくまで単なるラップコアではなく、あくまでポストハードコアというベースの上でそれらの要素を混ぜ込んでいるのは、間違いなくアメリカではあり得ない冒険的なサウンドだろう。ただクリーンパートの声の存在感が弱いのが勿体ない。
テキスト:Yuji Kamada