【REVIEWS】Alesana – Confessions 〜時空を越える最高傑作〜
Released: 6/24/2015 – TRIPLE VISION
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Alesanaのニューアルバム、「Confessions」がいよいよ完成。3rdアルバム「The Emptiness」、4thアルバム「A Place Where The Sun Is Silent」から続くコンセプト、“Annabel Leeシリーズ”の最終章であり、三部作のフィナーレを飾る重要な作品だ。
Edgar Allan Poeが最後に遺した詩、「Annabel Lee」に強いインスピレーションを受けたというAlesana。その影響のもと、「The Emptiness」ではVo./Gt.のShawn MilkeとVo.のDennis Leeが執筆したホラー仕立てのストーリーを、「A Place Where The Sun Is Silent」ではダンテの「神曲」をそれぞれのモチーフに作品を創り上げた。サウンド面においてもそれぞれのアルバムにおける題材を綿密に反映させており、「The Emptiness」ではスリリング&アグレッシヴな、「A Place Where The Sun Is Silent」ではロック・オペラを思わせる壮大な音像が特徴的であった。今回の「Confessions」は、USでは自らのレーベル= Revival Recordingsからリリースしたこともあり、自らの願望をすべて叶え、自身にとっても非常に満足のいく作品に仕上がったという。もともとSFにも興味があったというShawnとDennisは、本作においてMadeleine L’EngleのSFジュブナイル小説「Time Quintet」シリーズをベースに、アルバムを制作したのだそうだ。本作では「時間」や「空間」という多次元的な題材を取り入れた作品とだけあって、非常にプログレッシヴかつ複雑なサウンドがめまぐるしく展開していく。しかしAlesana独特のキャッチーなメロディや何層にも重なる美しいコーラスが、それらの難解さを全く感じさせない。これまで紡がれてきたストーリーの解決編とだけあって、聴後の爽快感も最高。あらゆる感情に凄まじいカタルシスを与える、Alesanaの最高傑作だ。
テキスト:Leyna Miyakawa