【REVIEWS】Man Overboard – Heavy Love 〜蒼きエモーションが甦る2015年夏〜
Released – 7/8/2015 – ICE GRILL$ / Rise
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Billboard Chart初登場46位を記録し、その前の作品から飛躍的ジャンプアップを果たした2013年作「Heart Attack」。そして昨年自主レーベルLost Tape Collectiveを立ち上げリリースされたアコースティック作「Passing Ends」とコンスタントに作品を発表しながら精力的にLiveやツアーを行ってきた彼等の4枚目となるフルアルバムが発表された。先に言ってしまえば最高傑作だ。プロデューサーにはBill Stevenson御大とJason Livermoreを迎え制作。これまでのエモーションとパワフルなサウンドがさらなる高みへと到達し、さらに圧倒的に“良い曲” だらけの一枚だ。
ずばりSaves The Dayの「In Reverie」を彷彿とさせるイノセンス満載なパワーポップソング “Now That You’re Home” や “She’s In Pictures”。真夏の青空で聴いたら気持ち良い事この上ないであろう、爽やかなエモーションを高らかに鳴らす “Borderline”。これぞPop Punkというべき蒼を撒き散らしながら疾走するキラーチューン “Splinter” や、同じく疾走しながらもよりシリアスで硬派なメロディックハードコア要素を前面に打ち出した “Cliffhanger” や “Anything”。シャッフルビートを彼等流にアレンジした “Invisible”。00年代中期の米東海岸の香りを再現したかのようなサウンドメイクがたまらない “The First Degree”。どの曲もこれまで以上のフックを持った楽曲が詰まった作品であり、間違いなくバンドは今作をきっかけにネクストステップへ進むであろう。
テキスト:Yuji Kamada