【REVIEWS】FIVE NEW OLD – LISLE’S NEON 〜きらめきと葛藤の眩いコントラスト〜

Released: 6/24/2015 – TWILIGHT
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2010年に神戸で結成され、2012年にリリースしたデビューEP「LOVESICK」で大きな注目を集めたFIVE NEW OLD。 これまでBEYOND [THE] BLUE TOURやNO BLUR CIRCUITといったツアーへの参加、All Time Low、Cash Cash、Quietdriveといった海外バンド勢との共演を経て着々とファンベースを拡大していった彼らは、2014年に待望に1stシングル「HOLE」をリリース。同作はポップロックのサウンドをベースにインディー・ロックやアーバンな要素も取り入れた極上のキラーチューンとなっており、ここでますます多くのリスナーを虜にしていった。シングルのリリース後も精力的にライヴ活動を重ね、シーンでめきめきと頭角を表していった彼らが、いよいよ1stアルバム「LISLE’S NEON」をここに完成させたのである。
シングル曲 “Hole” を含む11曲からなる本作からは、この上なく煌びやかな印象を受ける。甘く柔らかなメロディー、温もりのあるアップリフティングなポップロックサウンド、伸びやかに広がるコーラスが、聴く者の心を鷲掴みにして離さない。体が疼かずにいられないアルバム随一にアグレッシヴ&スピーディーなポップパンクチューン “Ashes To Ashes” や、澄み切ったヴォーカルワークと突き抜けるようなコーラス、そして爽快感満載のクリアなサウンドがたまらなく高揚感を与える “Undercover”、どことなくレトロな雰囲気も纏ったダンサブルな音像が鼓膜に焼き付く “Tango On The Edge” などFIVE NEW OLDの持ち味である洗練されたポップネスと珠玉のサウンドが、さらに磨き上げられた形で凝縮されている。そんな音の煌めきをより鮮やかに仕立て上げているのが、アルバムを覆うノスタルジーである。歌詞に込められた葛藤や哀愁を始め、緻密なバランスで配合されているダークなテイストが、作品に凄まじい中毒性を生み出しているのだ。
きらめきと葛藤の眩いコントラストを描き、自身の新たな武器を完成させたFIVE NEW OLD。スタイリッシュなアートワークやバンド写真、デザイン性の高いグッズを始め、音の部分はもちろん様々な角度からファンを楽しませてくれる彼らのハイセンスなエンターテインメント性は、今後さらに多くのリスナーを惹きつけていくはずだ。FIVE NEW OLDがシーンのトップへと躍り出るのも、そう先のことではないだろう。
テキスト:Leyna Miyakawa