【REVIEWS】Miss May I – Deathless 〜原点回帰と円熟の極み〜
Released: 8/7/2015 – Rise
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昨年2014年にこれまでのキャンセルを取り戻すかの如く二度の来日を果たし、ここ日本でも本格的に鋼鉄の爪痕を刻み始めた彼等。同じく2014年の4月には全米Billboardにて、バンド史上最高位である初登場21位を記録した4thフル「Rise of the Lion」をリリースした事も記憶に新しいが、僅か約一年半足らずで最新作がこうして発表された。まるでこのブレイクポイントで加速する事を見定めていたかの如きリリーススピードだ。今作はバンドのデビュー作「Apologies Are for the Weak」と2nd「Monument」を手掛けた、レーベルお抱えともいえるJoey Sturgisが久しぶりにプロデュース。彼のプロデュースらしいカチッとしながらも、バンドの持つ荒々しさを共存させたサウンドを再び纏ったプロダクションに。そしてサウンドメイクは原点回帰しながらも、楽曲のアグレッションや鋼鉄具合は確実に過去最高のものとなっている。
重戦車の様な爆音からRyanのエモーショナルなクリーンパートへ展開していく、Liveでもお馴染みな “I.H.E.”。ツインリードが高らかに響き、Leviの強烈なスクリームと渾然一体となり爆走していく“Trust My Heart (Never Hope To Die)”。スラッシーなリフに加え、要所要所でブラストが炸裂する “Psychotic Romantic”。ミリタントなフレーズに初期からのファンも大喜び間違いなしのタイトルトラック “Deathless”。バンドのブルータルさと相反するメロディックな側面、そしてそこにドラマチックな展開とフレーズが加わる事で史上最高のアンセムとなった本編ラスト “Born From Nothing” まで、休まる事無き汗くさい程の熱量をどこかスタイリッシュに聴かせてしまうのがこのバンドの強み。August Burns Redは一歩先へと進んだが、彼等はこの次の一手をどうするのか、今から楽しみだ。
テキスト:Yuji Kamada