【REVIEWS】In Her Own Words – Bad Weather 〜引きのパートも際立つネクストフェイズ〜
Released: 9/11/2015 – ICE GRILL$
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米カリフォルニア州オレンジカウンティにて結成。途中フロントマンの交代はあったもののバンドの勢いは止まらず着実にステップアップしてきた彼等。CHUNK! NO, CAPTAIN CHUNK!のフロントマンBertrandプロデュースによって制作された二枚のEPは、それぞれにキラーチューンが収録。二度の来日を果たし、ここ日本でも確固たる人気を獲得している。そしてJoeyがボーカルになってから二作目となるバンド最新作がここにリリースされた。今作もBertrandプロデュースで基本路線は変わっていないものの、要所要所にバンドの新たなチャレンジと円熟が見え隠れする作品となっている。
オープニングトラックでありタイトルトラックである “Bad Weather” での、アルペジオ多用した超絶エモーショナルなパートから一気にアダルトなバンドサウンドへ変化していく展開。このTransit的なアルペジオを使用した心の琴腺触れまくるフレーズに代表される静のパートこそ、今作のキーだろう。MVになった “Bittersweet” でも全体的にはダイナミズムを放出しながらも、アルペジオからはじまる中盤以降の展開は悶絶モノ。初期のメジャーコード感はなくなったが、The Story So Farに代表されるシリアスな疾走感を持った “Plain View”、イントロからセンチメンタルを大爆発させて爆走する“Strangers” といった楽曲に心えぐられる。タイトル通りの天気然り、ここ日本では全体的に秋から冬にかけて良く似合う楽曲が収録。それ故に後半に収録されているアコースティックverの二曲も作品にぴったりはまっている。いよいよ9月からは再びCHUNK! NO, CAPTAIN CHUNK!やFarewell TourとなってしまうA Loss For Wordsとのツアーにて三度目の来日。今作をリリースした事によって前回以上にバンドとしてのレンジが広くなったのは間違いない為、セットリストもまた楽しみだ。
テキスト:Yuji Kamada