【REVIEWS】Atreyu – Long Live 〜初期衝動と共に巻き上がった復活の狼煙〜
Released: 9/18/2015 – Spinefarm/Search And Destroy
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1998年に米オレンジカウンティーで結成後、2001年にはVictory Recordsと契約。2004年にリリースされた2ndフル作「The Curse」は45万枚以上の売上を記録し、さらに3rdフル「A Death-Grip On Yesterday」で全米Billboard9位にランクイン。メタル、ハードコア、ポストハードコアを独自の感性でブレンドし圧倒的な人気を確立した彼等だったが、2011年に活動休止を発表。その後各メンバーはI Am WarやHell or Highwaterといった新バンドを立ち上げて活動していたが、2013年にバンドのFacebookで新曲を制作していると発表し、再始動を示唆した。そこからいよいよ、約6年振りとなる最新作を携え彼等の帰還だ。プロデューサーはこれまでAvenged SevenfoldやEighteen Visions等の作品を手掛けてきたFred Archambault。メタル界隈の中でも非常に奥行きのあるプロダクションを構築するのが上手い、と言われている彼ならではの立体感あるサウンドメイクが随所に散りばめられた作品となっている。
「The Curse」を彷彿とさせる作品を制作するとバンドが話していた通り、今作から最初にMVと共に発表されたシングルでありタイトルトラック “Long Live” では、メタリックなリフが縦横無尽にのたうち回る。続く “Live To Labor” でも疾走感とバンドらしいドライブ感が融合。良い意味クサすぎるテクニカルフレーズで幕を開ける “Heartbeats And Flatlines”。泣きのツインリードが炸裂しまくる “Moments Before Dawn” や、“Start To Break” での王道Atreyuというべき楽曲は、まさに初期のファンは大喜びだろう。しかし、活動休止前の作品で鳴らした新境地をさらに進化させた楽曲もしっかり収録。nu-metal直系の縦ノリ感を打ち出した “Cut Off The Head”。Atreyu風スタジアムロックともとれる “Do You Know Who You Are?”。メンバーの好きな80’sハードロックテイストを盛り込んだ “Brass Balls” 等、メンバー自身が楽しみながら楽曲制作したのだろうな、という事が良く分かる一枚だ。
テキスト:Yuji Kamada