【REVIEWS】ONE OK ROCK – 35xxxv Deluxe Edition 〜世界を見据えた大いなる一歩〜
Released: 9/25/2015 – Warner Bros.
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最早説明不要。今や日本のロックシーンを背負う存在となった彼等の7枚目となる最新作。ここ数年、どんどんと自身の影響を受けてきた洋楽からのアウトプット。そしてWarped Tourを始めとした海外公演やここ日本での海外勢との共演と、その標準を日本国内だけでなく世界へと向けていたのは明らかであったが、いよいよ米ワーナーと契約。2015年2月にオリジナルがリリースされていた最新作に未発表曲を加えた本作で、いよいよワールドワイドデビューを果たす。同作は単に未発表曲を加えたデラックス盤でなく、オリジナルでは日本語で唄われていたパートが全て(厳密に言えばオープニングトラック以外)が英語になっている。これまでJ-ROCKとカテゴライズされる要素を持ちながらも前述の通り作品を重ねていく毎に洋楽の要素を強めてきた訳だが、正にここ数年の一つの完成系ともいえる作品だ。
“Take Me To The Top” や “Stuck In The Middle”、“One By One” といった彼等の王道とも言える、前のめりなアグレッションと疾走感が叩き付けられる楽曲。“Heartache” や “Decision” 等、スケール感のあるエモーショナルなバラードはばっちり収録。加えて、スケール感とアグレッションが融合した新機軸 “Cry Out” やUKロック風のカッティングが心地よい “Suddenly”。軽快なアコースティックギターの音色を夜の世界観と組み合わせた “Good Goodbye”。同じく夜の温度を、クリスチャンロックを想起させるモダンなプロダクションで表現した “Fight The Night”。そして今作を引っ提げて回った全国アリーナツアー追加公演のゲストバンドで出演した、Sleeping With SirensのKellinをフィーチャーした “Paper Planes”。この辺りは確実にバンドの新機軸であり、ラウドやスクリーモという範疇でのバンドでは到底鳴らしようのない方向性とサウンドメイクだ。そして同じくゲストバンドで出演した、IssuesのTyler Carterが “Decision” ではフィーチャリングされているのがこのデラックス盤の裏トピックとも言える。既にLiveで披露されたラガのリズムを取り込んだ “The Way Back”、ソウルフルで美しくも切ないバラードである “Last Dance”という二曲のボーナストラックも、この二曲の為だけに買い直して全然ありな楽曲だ。
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ONE OK ROCK「35xxxv Deluxe Edition」
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テキスト:Yuji Kamada