【REVIEWS】Parkway Drive – Ire 〜nu-metal化だけでない、ポストメタルコア〜
Released: 9/25/2015 – Epitaph
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I Killed The Prom Queenに続くオージーメタルコアとして一気にその頭角を現し、早くからEpitaphと契約し全米デビュー。バンド4枚目となる前作「Atlas」は、全米32位。本国オーストラリアでは3位を記録するまでに上り詰めた。そんな彼等の約二年振り新作で、今作もまたEpitaphからのリリースとなる。カナダのスタジオでレコーディングされ、Protest The Heroの作品に携わってきたGeorge Hadji-Christouがプロデュース。徹頭徹尾、ゴリゴリのメタルコアサウンドを追求してきた彼等のネクストフェイズというべき作風だ。
先行でMVと共に公開された “Vice Grip” での、80’’sメタル要素を擁したサウンドからして明らかにこれまでの作風とは異なる印象は受けたが、「メタルコア」 という彼等の基軸はブレていないものの、広義の意味で「メタル」。ツインリードを活かしながら、ミッドテンポで力強く展開していく “Destroyer”。デスメタルを彼等なりに解釈したとも受け取れる “Dying To Believe”。お経から始まるイントロでも顕著な様に、仏教的側面をnu-metalサウンドと融合させた “Crushed”。美しいストリングスのアレンジの上に、妖艶なスポークンワードが乗る “Writings On The Wall”。パワーメタル要素を前面に打ち出した “Vicious”。Escape The Fateを彷彿とさせるエッジのきいたリフと疾走感が心地よい “The Sound Of Violence” 等、クラシカルなメタルやnu-metalといったバンドのこれまで開かれる事のなかった引き出しが一気に解放された一枚だ。
フロントマンWinstonによる決してクリーンでメロディーを唄わないスタイルはほぼ曲げていないながら、本当に多くの表情をもったスクリームでの表現力が見事。後はここからどれだけ名曲が書けるかがキーとなりそうだが、ラストを飾る一大ロックオペラ“A Deathless Song” を聴く限り、次作辺りでもうキラーチューンが完成しそうな可能性を感じる。
Parkway Drive「Ire」
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テキスト:Yuji Kamada
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