【REVIEWS】Mayday Parade – Black Lines 〜刹那のメロディーを持ったままオルタナティヴ化〜

Released: 10/10/2015 – Fearless/KICK ROCK INVASION
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前作「Monsters in the Closet」が全米Billboardチャート初登場10位を記録。メタルコアやポストハードコアが台頭していくシーン中でエモーションとポップネスをミックスしたサウンドで、孤軍奮闘ともいうべき活躍を見せてきた彼等。約二年振りの5枚目となる新作は過去三作を手掛けているZack&Kenではなく、Taking Back SundayやBrand New等数々の作品を手掛けてきたMike Saponeがプロデュース。Hit The Lightsの「Invicta」を手掛けた事でも知られるMikeだけにサウンドのシフトチェンジが予想されたが、やはりこれまでとは別次元にオルタナティヴなサウンドメイクに。
今作から最初にシングルとして発表された “Keep In Mind, Transmogrification Is A New Technology” は、彼等のベースとなっているポップパンクの疾走感に加え、浮遊感と奥行きのあるサウンド。続くシングル “One Of Them Will Destroy The Other” ではReal FriendsのDan Lambtonをフィーチャリングし、これまでのバンド史上最もアグレッシヴともいえるオルタナティヴさを叩きつけた。このオルタナティヴさこそ今作のコンセプト。グランジ一歩手前に退廃的な世界観を鳴らす “Hollow”。ダークでオルタナティヴなイントロから、一気にモダンで切ないメロディーラインへ展開していく “Let’s Be Honest” や “All On Me”。モダンへヴィネスばりに深遠に力強く、スケール感の溢れた “Underneath The Tide”。ヒリヒリとした焦燥感を持った楽曲が全体的には多いが、その中でルーツミュージックすら感じるミッドチューンに温かい唄がのった “Letting Go” と “Narrow”。そして絶対的に美しい虚無を感じる “Until You’re Big Enough” 辺りの楽曲は、今作の中だからこそ余計に琴線を震わせられる。これまで通りの温もり溢れたメロディーラインやエモーショナルな旋律はそのままに、新たなバンドの表情を見せつけた楽曲を存分に鳴らした今作。そのラストにはMayday Paradeの王道ともいえる楽曲が収録されている。その名も “One of Us”。相変わらずファンを飽きさせずに、そのファン心理をくすぐるのが上手いバンドだと思う。

Mayday Parade「Black Lines」
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テキスト:Yuji Kamada

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