【REVIEWS】State Champs – Around The World And Back 〜文句なし、死角なしの純然たるポップパンク作〜
Released: 10/16/2015 – Pure Noise / ICE GRILL$
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Four Year StrongやSet Your Goals、Chunk! No Captain Chunk!以降のPopcore。The Wonder YearsやThe Story So Far以降のEasycore。現在はそこから派生した新世代を日本では「現行」 なんて呼び方をしているが、そんなここ数年のトレンドとは別軸でオーセンティックなPop Punkを鳴らしてきた米New York産。2000年代も00~09年と2010年以降でだいぶトレンドが変わってきたが、最近As It IsやNeck Deepといった新世代のバンドが再び青くメロディーの良いPop Punkで一気に人気を博している事からも、今後は再び05~09年辺りのサウンドが主流になるのかもと噂されている。無論シーンのトップにはまだまだNew Found GloryやSimple Planがおり、その次の世代にAll Time Lowがいる。音楽は勝ち負けではないが、より多くのリスナーを引きつけるという意味で変にひねくれる事無く、一聴して良いメロディーに勝るものはない。先駆者がそれを証明し続けているのだ。それを踏まえて聴くと、このState Champsの新作は文句のつけようのない素晴らしい一枚に仕上がっている。
Aメロから青空へと突き抜ける様な爽快なメロディーとコーラスワークが最高すぎる “Eyes Closed”。先行で公開された “Secrets” では、決して疾走感に頼ることなく力強いリズムとエモーショナルなメロディーを鳴らしたかと思えば、続く “Losing Myself” ではDrive-Thruの某スクリーモバンドの名曲を彷彿とさせるイントロのストロークから、同じくDrive-Thru のThe Starting Lineを思わせる疾走感。しかしサビではしっかりビートを半分に落とし、広がりあるキャッチーなフレーズを聴かせる辺りも上手い。Chunk! No, Captain Chunk!の “Taking Chances” を想起させるイントロからHit The Lights直系のサウンドを展開する “Perfect Score”。前作の名曲 “Elevated” のイントロのフレーズをサンプリングしたかのようなリフが入る辺り、にやりとさせられる “Shape Up”。そして2曲目にMVと共に公開された “All You Are Is History” は、どう聴いても名曲すぎる楽曲だ。男らしいマイナーコードの “Breaking Ground” も、これらの楽曲の中ではより輝いて聴こえる。
新世代らしく勢いもある、純粋にどう聴いても良いメロディーが書ける。遊び心もあるしリリックも見ての通りだ。Pop Punkにこれ以上何が必要なのか、面倒なものは何もいらない。完璧。
State Champs「Around The World And Back」
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テキスト:Yuji Kamada
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