【REVIEWS】Blessthefall – To Those Left Behind 〜ポストハードコア代表としての確固たる存在感〜
Released: 10/14/2015 – TRIPLE VISION/Fearless
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2003年に結成以降、メンバーチェンジはあったものの作品をリリースする度に着実にステップアップしてきた米アリゾナ出身5ピース。Billboard初登場15位を記録した前作「Hollow Bodies」以来、約二年振り5枚目の作品となる最新作となる。今作もFearlessから、Joey Sturgisプロデュースという鉄板のバックアップを受けて制作。方向性としては特に大きな変化はないながらも、一曲一曲、一音一音、より進化を遂げたハイクオリティーな作品となっている。
クリスチャン・ポストハードコアの王道ともいえる荘厳かつ厳格なコーラスワークから、一気にヘヴィなアンサンブルへと展開していく “Decayer”。モダンかつ縦ノリなリズムと疾走感を巧みに織り交ぜたリズムと、Beauの繊細で美しいボーカル、そして強靭なスクリームが交錯していく “Walk on Water”。これまでのバンドにはない大胆な打ち込みを導入した事で、バンドの新たなる側面が浮き彫りになった “Looking Down from the Edge”。同じくプログラミングを取り入れながらも、深遠でエモーショナルなプロダクションと退廃的な美しいメロディーをミックスさせた “What We Love & Burn the Rest” や “Condition // Comastose”。スラッシーな要素で一気に加速する “Oathbreaker”。アグレッションとガラス細工の様なメロディーラインの融合は正に彼等の十八番ともいえるが、本編ラストの“Departures” にも代表される様に、今作では美しいメロディーワークが一番の聴き所だろう。インタビューでメンバー自身も話している通り、今作で取り入れた新たな要素が次作への鍵となっているという事。バンドは早くもその次を見越しているだけに、リスナー側の僕達も今から期待したい。
Blessthefall「To Those Left Behind」
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テキスト:Yuji Kamada