【REVIEWS】The Afterimage – Lumiere 〜テクニック、ハイブリッド感、エモーションの究極融合〜
Released: 11/18/2015 – Tragic Hero / Garimpeiro
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まだまだエクストリームミュージックのシーンは進化し続ける。Peripheryが登場した時も同じ事を思ったが、それ以降最もそれを強く感じさせたバンドがいよいよここ日本にも上陸だ。2012年、カナダはトロントで結成。とはいっても元々はフルタイムバンドではなく、プロジェクトバンドとして始動した彼等ではあったが、デビューEP「Formless」をFamined Recordsよりリリース。その圧倒的なセンスとテクニックで瞬く間に話題に。リスナーは勿論、バンドマンからも圧倒的賛辞を受け、一躍その名を世界に知らしめていった。その後バンドはErra等も所属するTragic Hero Recordsと契約。その第一弾としてリリースされたのがこの作品となる。
元々MeshuggahやProtest The Hero、Between The Buried and Meといったバンド達が土台を築いてきただけあり、前述のPeripheryやErraといったバンドを筆頭に、ここ日本でもPolyphia等のProgressive/Djentのバンドがブレイクし、シーンは確実に認知されてきた。その次の世代として現れた彼等だが、正直今作はそのジャンルすらをも超越した素晴らしいバランス感覚なのだ。無論、複雑なアンサンブルや構築美のセンスは誰が聴いても絶句する程なのだが、そことは別ベクトルで刹那の唄メロが共存し、それが彼らならではの孤高の世界観を構築しており、Dance Gavin DanceやHands Like Housesから強く影響を受けたというのも頷ける。強靭なスクリームとハイトーンで紡がれるそのメロディーラインは、そのバックでどれだけ凄い事をやっているのかを見失う程に唄モノとして成立。馬鹿テクバンドの大多数が、演奏をメインに考え過ぎ、結局シンプルなバンド達にはメロディーは勝てていない。その最早当たり前ともいえた構図に、メスを入れた彼等の功績は非常に大きいだろう。今後NovelistsやInvent, Animateと共にさらに高みへと登り詰める事は間違いない。
The Afterimage「Lumiere」
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テキスト:Yuji Kamada