【FEATURES】裏方インタビューvol.2:アパレルブランドGlamour KillsオーナーMark Capicotto
アーティストだけでなく、アーティストが活躍する裏で働くレーベル、アパレルブランド、楽器ブランドへのインタビューを通して、普段なかなか表に届けられことの無い、裏方で働く人達の声をぜひチェックしてみてください!
第2回目はアパレルブランドGlamour KillsオーナーMark Capicottoのインタビューをどうぞ!
(第1回目Hopeless Recordsアーティストディベロップメント&セールス統括責任者のEric Tobinへのインタビューはこちら)
All Time LowやTonight Alve、The Wonder Years等をサポートするアパレルブランドGlamour Killsの産みの親、マーキーことMark Capicottoにインタビューを敢行!ブランド立ち上げのきっかけから最新リリースとなるJeansのこと、さらにはマーキーが今注目するオススメバンドまでを語ってもらった。
“常に自分に誇りを持ち、ブランドに自分自身を投影し、信じた道を踏み外さないこと”
──このブランドを始めたきっかけ、ブランド名の由来を教えていただけますか?
Mark Capicotto(以下Mark):Glamour Killsは9年前、僕の実家の地下室でスタートしたんだ。当時僕はまだ19歳で、高校を卒業したばかりだった。その時僕は他のバンドのマーチ商品のデザインを手伝っていたんだけど、ある日それにダメ出しをされちゃってね。でもそれからPlain White T’s やMatchbook Romance、Fall Out Boyのマーチのデザインに携わることができるようになっていき、だんだんと知名度も上がって行った。僕自身や、友達のために物を作ることができる状況に変わって行ったのは、僕にとって大きな変化だったよ。実は僕の友人で、ニューヨークでスクリーンプリントのお店を経営しているRobと言う人物がいてね。彼がGlamour Killsの最初の商品を作るときに色々と手伝ってくれたんだ。Glamour Killsと言うブランドネームに関しては、僕はブランドを始める当初、ロゴやデザイン、そしてメッセージのアイディアもあったんだけど、名前のだけが浮かんでいない状態でね。その頃、友達に冗談で「Glamour Kills!」って一度言ったら、いつの間に僕の頭の中に定着していったんだ。
──トレードマークのフライングピッグはどのように生まれたのですか?
Mark:アメリカでよく使われる言い回しに「When Pigs Fly」と言う言葉があって、大きな賭けではあるんだけど、物事はなんでも起きる可能性がある、と言う意味なんだ。僕はニューヨークの、どこにでもいる音楽が大好きなパンク・キッズだったから……Glamour Killsを始めてから3年間はピザ屋のバイトも並行して続けて、そこで得たお金をGlamour Killsに投資していたんだよ。僕はたった19歳で若くて、絶対に無理だと思われるようなことにトライしていた。でも、不可能は必ず可能になるからね。
──All Time Lowを始めとして音楽との強い繋がりがあるブランドというイメージがあるのですが、
なぜ音楽との繋がりを大事にしようと思ったのでしょうか?
Mark:僕の友達はみんなバンドをやっていたし、子供のころは「彼らのショウをブッキングして、バンドのマネージメントをして、フライヤーのデザインをして、一緒にデモを作るんだ!」っていつも夢見ていた。そして僕はデザインの分野が自分の強みであることが分かって言ったから、その部分で音楽を支えて行きたいと思うようになったんだ。僕らのT-シャツを着たバンドとツアーに行くことだってある。音楽を愛するみんながGlamour Killsを着たくなってくれたら嬉しいなっていつも思っているよ!
──今ではアメリカのみならず、日本はもちろん世界中にGKファンがいますが、ここまで広がってきたことに対する感想を聞かせてもらえますか?
Mark:夢のような出来事だよ!それこそが、僕のやりたかったことだからね。僕は、世界中を歩いて、各地の人がGlamour Killsの服を着ていてくれたら……ってずっと夢見ていたんだ。ちょっと変な人だと思われるかもしれないけど、僕らのTシャツを着ている人を見かけたら「やあ、いいシャツだね!」って声をかけるのが好きなんだ。あとたまにTシャツを着てくれている人に「そのTシャツは僕が作ったんだよ!」って言うのが好きなんだけど、信じてもらえないこともあるよ(笑)。
──バンドとのコラボアイテムを数多く作ってきていますが、毎回どのようにバンドやアイテムを決めているのですか?
Mark:アーティストでもバンドでも、誰かとコラボレーションするのが大好きなんだ。それぞれのバンドは独自の見た目や音を持っているから、彼らのテイストをしっかりと反映しつつも、そこにGlamour Killsの持ち味を生かしていくにはどうしたら良いのか、といつも試行錯誤しているんだけどね。コラボレーションをするときはまずはミーティングか電話でメンバーと話し、一番大事なデザインのアイディアを決めて行くんだ。バンドは音楽的な才能があるのはもちろんだけど、ときどきアートの才能も持ち合わせたメンバーもいたりするから、そのメンバーと実際一緒に絵を描いたりデザインを作ったりするんだ。すごく楽しい作業だよ!
──今回久しぶりにジーンズが出るということですごく楽しみにしているのですが、なぜまたこのタイミングでジーンズを作ろうと思ったのでしょうか?
Mark :Glamour Killsが最初にジーンズを作ったのは5年前なんだけど、当時僕やスタッフのみんなはとても若くてね。僕らはジーンズを作ると言うことに対してすごく興奮していたんだけど、そのときのデザインや縫製の面では少し悔いが残っているんだ。実は当時、最初のプレスで上がったものはすごく良かったんだよ!でも二回目のプレスに入る少し前、僕らがお世話になっていた工場が閉鎖してしまい、違う工場に依頼したところ、上がってきたものが酷くてね。僕はいつだってGlamour Killsの品質を誇りに思っていたかったから、そのとき完成した500本のジーンズは破棄してしまって、売ることが出来なかったんだ。だけどここへ来てようやく僕らの準備も整い、再びジーンズを作るのに良いタイミングを迎えたから、作ってみよう、と言うことになったんだ!現在のGlamour Killsには、最高の着心地とデザインを創り出すことができるチームがあるから、今回のデニムはきっと愛される商品になっていくはずだよ!
──数多くの素晴らしいバンドをサポートしてきているGKだけに、今マーキーがどんなバンドに注目しているのかすごく気になります。オススメバンドをいくつか教えてもらえますか?
Mark:今はModern Baseballと言うバンドにすごくハマっているんだ。もし知らなかったら、大至急チェックしたほうがいいよ!Weezerのファンにはぜひ聴いてもらいたいバンドだね。あと、最近はNew Found Gloryのアルバムもよく聴いている。秋に出る予定のアルバムが待ちきれないんだ!あとは、Somoの「Temple of Plenty」と言うアルバムも大好きだよ。このアルバムは今年で一番のアルバムだね」!
──APをチェックしている、これからブランドをやりたいと思っている若い子たちに何かアドバイスをいただけますか?
Mark:たくさん働いて、もっと働く、かな!多くの人はObeyやGlamour Killsのようなブランドを作り、有名になるのは簡単だ、と思っているかもしれない。でも実際、僕はここまでブランドを成長させるのに長い年月がかかった。そんな道のりの中で自分自身の信念を持ち、それを曲げないことも大事だよ。常に自分に誇りを持ち、ブランドに自分自身を投影し、信じた道を踏み外さないこと。ブランドを始めるのに、大きな金額は必要ないんだ。努力と情熱と、しっかりとした自分の哲学があればね。
Glamour Killsオフィシャルサイト
http://www.glamourkills.com
Interview: Nobuya Fukawa
Translation: Leyna Miyakawa
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