【FEATURES】Circa Waves, デビューアルバム「Young Chasers」インタビュー 〜根底に「成長」というテーマがある〜
2013年に結成され、2014年度には Reading & Leeds FestivalやGlastonbury Festivalといったフェスに出演し、さらに本国で行われた単独ツアーも大盛況を収めるなど凄まじい勢いでその名を広げているCirca Waves。2014年度のSummer Sonicに出演しここ日本でも着実にファンベースを拡大している彼らが2015年1月、The 1975のツアーサポートおよび単独公演のため再び来日を果たした。そこで今回AP Japanで、はギタリストのJoeにインタビューを実施。いよいよリリースされる1stアルバム「Young Chasers」の制作秘話や、バンドの辿った軌跡について語ってもらった。
“「Young Chasers」はみんなにCirca Wavesを知ってもらうきっかけとなった重要な曲”
──1stアルバム「Young Chasers」がいよいよリリースとなりますが、完成してみていかがですか?
Joe:実はレコーディングは2014年の6月に終えていたから、発売が待ち遠しくてたまらなかったんだ。制作期間はだいたい8ヶ月くらいあったから、やっとみんなに聴いてもらうことが出来ると思うと嬉しいよ。少しナーバスにもなるけどね!
──そうなんですか?
Joe:うん、今はね。アルバムが完成してからリリースまで少し時間もあいたから、あれやこれや考えてしまうんだ(笑)。
──“Get Away” や “T-Shirt Weather” を始め、どことなくノスタルジックで至極キャッチーなサウンドが印象的ですね。
Joe:意図したわけではないんだけど、Kieranが曲を作るにあたって、過去の自分たちを振り返っていったんだ。成長してティーンエイジャーになって……と言う過程で得た感情やメンタリティが、そのまま音に詰め込まれている。そういう意味では、根底に“成長”というテーマがあるとも言えるね。そしてそれは誰しもが通過する道だから、曲の中で描いているものに対して共感を持ってもらえるんじゃ無いかな。
──メインで曲作りを行っているのは、Kieranなのでしょうか。
Joe:そうだね。Kierenが作った曲を元に、話し合いながら曲の構成を決めて、自分たちのアイディアを乗せていって曲作りを進めるんだ。今回のアルバムでいうと、Kierenが1曲まるまる作り上げた曲もあるし、メンバー全員で練りに練った曲もある 。全体的にはみんなでかなり時間をかけて作っていったことと、かなりオープンなマインドで制作に取りかかっていたから、以前と比べてもそれぞれのテイストが前に出てきていると思うな。
──そのテイストを色濃く出せるきっかけとなった曲などあるのでしょうか?
Joe: “Young Chasers” かな。初めてショウで一緒に演奏した曲だし、初めてラジオでかけてもらいウェブ上にもアップされた曲でもある。みんなにCirca Wavesを知ってもらうきっかけとなった重要な曲だから、アルバムも “Young Chasers” というタイトルにしたんだ。
──なるほど。ライヴでのパフォーマンスも映えそうですね。
Joe:そうだね!アルバム全体的に、ライヴですごく映える構成になっている。個人的には、 “Talking Out Loud” という曲がお気に入りでね。他の曲と比べると少しスロウなテンポの曲なんだけど、自分のギター・パートが大好きなんだ。
──今作のプロデューサーには、Lana Del Reyらの作品も手がけたDan Grechを迎えています。
Joe:プロデューサーを誰に頼むかについてみんなで話し合ったときに 、バンドの意見を最も尊重して、きちんと協力してくれる人にお願いしたいという結論に至ったんだ。どの曲も自分たちの希望通りに仕上げたかったし、アイディアもたくさんあったから、自分流にすべてを変えてしまうようなプロデューサーはどうしても嫌でね。その点、Danは僕たちのサウンドや、Circa Wavesが表現していきたいことを完璧に理解してくれた。同時に、彼が提案してくれる意見はすごく貴重なものだったから、Danと一緒に作品を作ることができてとても良い経験になったよ。それに彼はエンジニアとしてRadioheadの作品を手がけていたんだけど、僕自身もRadioheadのサウンドが大好きだからね。
──制作自体はどのように進めていったのでしょうか。
Joe:普通はプロデューサーと一緒にプリプロをやるんだけど、僕らは先に自分たちだけでプリプロをやって、そのあとデモをDanに聴いてもらう形だったんだ。スタジオでは彼が飼っているミニチュアシュナウザーを連れてきてくれて、一緒に作業していたんだよ!
──リラックスした空間だったんですね!
Joe:うん!レコーディング自体もスムーズだったしね。ただ “So Long” という曲だけはかなり手こずって、かなりギリギリで進めることになってしまった。「この曲はもうやりたくない」って何度も思ったよ(笑)。出来上がったものは結局自分たちでもかなり気に入って、UKではシングルカットすることになったんだけどね。
──レコーディングはどのくらいの時間がかかったんですか?
Joe:2〜3週間くらいだったかな。あまり時間をかけすぎても決断が遅れたり悩んだりしてしまうから、ちょうど良い期間だったと思っているよ。
──ではバンドについても伺わせてください。Circa Wavesは2013年に結成され、2014年には大きな成功を収めましたが、この1年間はあなたたちにとってどんな1年でしたか?
Joe:すごく不思議な1年間だったかな。初めて日本やオーストラリアに行き、USでもショウを行った。ずっと憧れていたGlastonbury FestivalやReading & Leeds Festivalsにも出演することができたし、The Libertinesのサポートもした。すべてのツアーを終えたのが12月15日だったんだけど、終わった後に座って深呼吸をしたら、なんだかクレイジーな気持ちになってしまってね。気分を落ち着けるために起こったことをすべて紙に書き出してみたんだけど、ものすごく長いリストになって、「ああ、こんなにたくさんのことをしてきたのか……」と改めて驚いたよ。まだアルバムだって出ていなかったのに、こんなにたくさんのチャンスを得ることができて本当に幸せだな、と思ったんだ。
──そのリストの中で、一番印象的だったのは?
Joe:そうだな……日本に来て、Summer Sonic 2014でプレイしたことかな。多くの人がそうだと思うけど、初めて日本に降り立った時はカルチャーショックの連続だった。すべてが喧騒に包まれていて、街中は常に明るいし、人はみんな優しくて、とても不思議だったよ。最初は大阪に行ったんだけど、その時は酷い時差ボケで、自分たちが家からどれだけ遠くにいるのかすらも判断がつかないくらいだったんだ(笑)。でもいつも日本に来たいと思っているし、日本でやりたいこともたくさんあるよ!
──それは嬉しいです。では昨年を振り返ると言う意味で、2014年度のベスト・ディスクを挙げて頂けますか?
Joe: Alex G の「DSU」という作品だよ。実は2014年度のベスト・ディスクは、12月の後半、クリスマス・プレゼントの買い物中に見つけたんだ。ある日買い物のためにロンドンを歩いていたら彼のアルバムが流れていて、これぞ自分の聴きたかった音だ!と衝撃が走ってね。とても良い作品だから、本当にオススメだよ!
──最後に、今後のCirca Wavesのヴィジョンを教えてください。
Joe:アルバムをより多くの人に聴いてもらうことと、たくさんのフェスに出演して、多くの人がCirca Wavesのライヴを楽しんでいる姿を見ること、かな。またGlastonbury Festivalに出られたら最高だね!
Circa Waves「Young Chasers」
2015/4/1 In Stores
Virgin / Hostess
HSU-10028 / ¥2,371(w/o tax)
Interview / Translation: Leyna Miyakawa
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